暦の基礎知識
結婚式はいつ挙げる? 大安と仏滅、どちらを信じればいいの?
結婚式の日取りを決めるとき、やっぱり気になるのが「大安」や「仏滅」。
普段は暦をあまり気にしない人でも、結婚式となると「せっかくなら大安がいいな」と思うことがあるのではないでしょうか。
反対に、どんなに都合のよい日でも、仏滅と聞くと少し迷ってしまう。
日本には、そんな縁起を大切にする感覚が今も残っています。
でも、昔からの暦を詳しく見てみると、実は大安や仏滅だけでは、その日の吉凶は決まりません。
結婚式の日取りについて、少し違った角度から考えてみましょう。
大安に結婚式を挙げたいのはなぜ?
大安(たいあん)は、六曜(ろくよう)と呼ばれる暦注の一つです。
六曜には、大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅の六つがあり、それぞれに吉凶の意味が付けられています。
その中でも大安は「万事大吉」とされ、特に婚礼によい日として知られています。
一方、仏滅は「万事凶」とされ、結婚式のようなお祝い事を避ける習慣があります。
こうした考え方は、今も日本の結婚文化に残っています。
2025年11月に行われた結婚情報誌「ゼクシィ」の調査では、結婚式の日取りを決める際に六曜を重視した、またはやや重視したと答えた人は約半数でした。
結婚式は、二人だけでなく、両家の家族や親族にとっても大切な行事です。
自分たちは気にしなくても、親や祖父母が「できれば大安に」と願うこともあるでしょう。
そう考えると、大安を選びたいという気持ちは、単なる日付の吉凶だけではないのかもしれません。
六曜は昔から日本にあったもの?
実は、六曜が日本で広く使われるようになったのは、比較的新しい時代のことです。
国立国会図書館の「日本の暦」によると、六曜は14世紀ごろ中国から伝わりましたが、広く行われるようになったのは幕末以降とされています。
それ以前の日本でも、もちろん婚礼の日取りは大切にされていました。
ただし、日を選ぶための暦は六曜だけではありませんでした。
十二直(じゅうにちょく)や二十八宿(にじゅうはっしゅく)、さまざまな吉神・凶神など、暦には多くの吉凶判断があり、婚礼のような行事についても、それぞれの意味や決まりがありました。
つまり、大安と仏滅は、日本で親しまれてきた日選びの一つの方法であって、暦のすべてではないのです。
仏滅でも結婚式によい日になる?
ここで、少し不思議なことが起こります。
六曜では仏滅なのに、別の暦注では婚礼によいとされる日があるのです。
逆に、大安であっても、ほかの暦注では婚礼を避けるとされる日があります。
これは、暦の決まりがそれぞれ異なるためです。
例えば六曜は旧暦の日付を基準に巡りますが、十二直は節気や日の十二支に関係する規則で決まります。
異なる規則で日を判断するのですから、吉凶が一致しないこともあります。
天地暦でも、単純に大安だから結婚式を○、仏滅だから×と決めているわけではありません。
結婚式という行動に関係する暦の要素を読み合わせ、○や×を判定しています。
そのため、大安だから必ず○になるとは限らず、仏滅でも○になる場合があります。
では、仏滅でも気にせず結婚式を挙げればいいのでしょうか。
やっぱり仏滅は気になる
暦の仕組みを知って、仏滅でも婚礼に適した日があると分かったとしても、やっぱり気になる。
そんな気持ちも、ごく自然なことだと思います。
「仏滅」という文字そのものにも、あまりよい印象はありません。
結婚式は、一生の思い出になる大切な日。
もし仏滅に式を挙げて、後になって何か心配事が起きたとき、「あの日が仏滅だったからかもしれない」と考えてしまうのなら、無理にその日を選ぶ必要はないでしょう。
一方で、仏滅に結婚式を挙げたからといって、その後の結婚生活が悪くなると決まっているわけでもありません。
六曜の吉凶は、結婚生活の未来を保証したり、予測したりするものではないからです。
大切なのは、暦の意味を知ったうえで、自分たちが納得できる日を選ぶことではないでしょうか。
結婚式の日取りは、どう選べばいい?
結婚式の日取りを考えるなら、まずは二人や家族の都合、季節、会場の空き状況など、現実的な条件があります。
そのうえで、暦を参考にしてみるのも一つの方法です。
例えば、天地暦で「結婚式」が○になっている日を探し、その中から大安や友引の日を選ぶ。
そうすれば、昔から親しまれてきた六曜の考え方と、ほかの暦注による判断の両方を参考にできます。
もちろん、すべての条件がそろう日が見つかるとは限りません。
その場合は、何を大切にしたいのかを二人で話し合って決めればよいと思います。
また、婚姻届を提出する日と、結婚式を挙げる日は、同じとは限りません。
天地暦でも「入籍」と「結婚式」は別の行動として扱っています。
どちらの日を選ぶのかによって、参考にする暦の意味も変わってきます。
暦は、幸せを決めるものではない
日本には、人生の節目に「よい日」を選びたいという文化があります。
結婚式、引っ越し、家を建てる日、仕事を始める日。
大切なことだからこそ、少しでも縁起のよい日を選びたい。
その気持ちは、昔も今もあまり変わらないのかもしれません。
けれども、暦が二人の幸せを決めるわけではありません。
大安に結婚したから幸せになるとも、仏滅に結婚したから不幸になるとも限らないのです。
暦には、長い時間をかけて受け継がれてきた、さまざまな日選びの知恵があります。
天地暦では、その一つひとつの意味を大切にしながら、現代の暮らしの中でどのように取り入れられるかを考えています。
大安も大切にしたい。ほかの暦の意味も知りたい。
そんなふうに、いくつもの見方を参考にしながら、二人にとって納得のいく日を見つけてもらえたらと思います。
参考資料
- ゼクシィ「仏滅はNG?先勝や赤口って?入籍・結婚式におすすめの日取りと六輝の意味」
- 国立国会図書館「日本の暦 吉凶を表す言葉①六曜」
